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新築からリモデル(増改築)へ営業の重点ターゲットを大きくシフトした動機は何ですか。
張本 そもそも当社は新築住宅や新設ビル着工が最大の需要源で、売上高の推移は新設着工数の増減ときれいにリンクしていた会社でした。ところが、新設着工数が年々減少し、1998年に未曾有の大赤字に陥りました。従来の新築に依存したビジネスモデルだけでは将来展望が開けないことから、赤字を機に以前から取り組んでいたリモデル需要開拓にさらに大きく舵を切ったのです。
長年慣れ親しんだ営業のやり方など、企業文化をドラスティックに変えることは一筋縄ではいかなかったのでは。
張本 実は、リモデル推進活動は93年から始まっていたのですが、新築案件が順調に動いている間はなかなか実体が伴なわず、定着しませんでした。ビル1棟で数千万円という受注と、リモデルでシステムキッチン1セット数十万円とでは営業の気合いの入り方が違うので、掛け声だけに終っていたのです。しかし大赤字になって『このままではダメだ』という認識が全社に広がり、トップダウンでリモデル特化の大方針が掲げられ、これが実質的なスタートになりました。
新築ビジネスは情報集約型で、要はいかに流通(卸・ディストリビュータ)網を広げておくかがポイントです。これを束ねて各流通チャネルから入ってくる情報を取捨選択できるようにしておく。このため、営業体制も対流通網が主体で、これが当社のセールス文化でした。ところが、リモデルで最も大事なのはエンドユーザーであり、お客様により近いところでいかに営業活動ができるかが最大のポイントになりました。
具体的には、どのように営業施策と意識改革を進めていったのですか。
張本 リモデルは自動車と同じで、見たり触ったりという五感に負うところが大きい。インターネットで一般消費財を購入するのとは異なり、実際に確かめるプロセスが不可欠です。このため、ショールームを全国に拡大していきました。また、「リモデルクラブ店」という当社といっしょにリモデルに取り組む住設・施工店のネットワークも拡充し、お客様により近い接点で営業活動できる体制を固めました。そして、自社のセールス部隊の行動パターン改革にも取り組みました。しかも新たに人を採用するのではなく、既存の人的資源を活かして営業の力点を流通網からエンドユーザーのお客様に振り向けさせるためには、大胆に仕組みを変えなければなりませんでした。そこで、4年前に販売革新プロジェクトを立ち上げ、営業の視点を流通営業からお客様により近い接点にシフトする、極端に言えば、流通網とメーカーセールスのやり取りをなくすくらいに革新し、かつ従来の流通網に対して一定のサービスレベルは維持するという課題にチャレンジしました。
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