モバイル・IP技術講座

徹底解説・フェムトセル導入で変わるモバイルビジネス

世界主要オペレータが相次ぎ導入表明

家庭内に設置して、商用ブロードバンド経由で携帯電話網に接続される超小型基地局「フェムトセル」が、全世界でにわかに注目を集めています。2006年末、フェムトセルのコンセプトが明らかにされるやいなや、各国オペレータは即座に大きな関心を示しました。2007年上半期には欧州オペレータがフェムトセルの本格導入計画を相次ぎ表明、実証サービスに乗り出しています。米国では2007年9月、スプリントが世界初となるフェムトセルの商用サービス「Airave」を開始しました。一方、AT&Tやベライゾン・ワイヤレスも2008年中の実証実験や商用化方針を打ち出すなど、市場は急転直下の様相を帯びています。ここでは、まずこうした主要オペレータのフェムトセル導入表明の経緯を振り返るとともに、フェムトセルがなぜ急浮上したのか、その背景について言及します。

IMS/3.9G時代のホーム市場攻略ツール

国内では、ドコモがデッドスポット対策として超小型基地局の提供を昨年から手がけています。さらに今年春からはWi-Fiとのデュアル端末を使ったFMCサービス「ホームU」を開始、今後は本格的なフェムトセルの開発を進めていくと表明しています。一方、昨年6月〜12月にかけて実証実験を実施したソフトバンクは、今年5月よりIMS基盤のトライアルに乗り出しました。もともとフェムトセルは、屋外用基地局のダウンサイジングと商用ブロードバンド接続によって、屋内のデッドスポットを解消するというコンセプトをもって登場したものです。しかし現在では、高度なFMCサービスの実現や、ホームネットワーク市場開拓ツールという部分に期待が寄せられています。ここでは、IMS/NGN/3.9G時代における国内キャリアのフェムトセル導入動向を検証します。

停滞する携帯電話市場に商機到来

フェムトセルの本格化は、ARPU減少に歯止めをかけたいオペレータはもちろんのこと、コンテンツ/サービスプロバイダや各種機器ベンダー、MVNOなど、さまざまな企業プレーヤーにとって新たな商機が訪れることを意味します。NGNや3.9G/4Gなど、IMSを共通基盤とした各種ネットワークが立ち上がろうとする流れのなか、フェムトセルの存在はますます見逃せなくなっていくでしょう。ここでは、これまでの分析と予測を踏まえ国内外オペレータや主要ベンダーの動向から見えてきた導入課題、新たなサービスやビジネスモデルの方向性、モバイル市場に与える各種の影響までを整理、さまざまな観点からフェムトセルがもたらす「新たな商機の誕生」を展望していきます。

飯塚 周一 氏

飯塚 周一 (いいづか しゅういち)氏

株式会社情報流通ビジネス研究所 所長

明治大学政治経済学部(社会思想史)卒業後、市場調査会社/出版社勤務を経て、2000年4月に情報流通ビジネス研究所設立。通信自由化より現在に至るまで、情報通信市場専門の調査研究/報道に従事。総務省「モバイルビジネス研究会」「モバイルビジネス活性化プラン評価会議」構成員。

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