第15回次世代ネットワーク&サービスコンファレンス 講演抄録
通信事業者のデータ分析・活用を支援 ノキアの「Telco Analytics」とは
ノキアソリューションズ&ネットワークス ソリューション・マネージャー 松風T樹氏

ビッグデータ活用への期待は通信事業者においても高まっているが、大量かつ多様なデータの中から新しい価値を創出することは実際には容易ではない。ノキアはデータ収集・分析から意思決定、アクションまでの一連のプロセスを迅速に行うためのソリューション提供からデータ活用の組織作りまでトータルに支援し、ビッグデータ活用を促進していく。

 通信事業者におけるデータ分析の用例は大きく3つに分けられます。

 1つがネットワークサービスの管理・監視で、サービスの稼働状況の監視や運用の効率化等に用いられます。2つ目は顧客管理です。顧客満足度の向上や加入者の乗り換え抑止のためにCRMやBIが使われてきました。そして、3つ目がデータマネタイゼーションです。マーケティングに活用したり、新たなビジネスモデルを確立するためにデータを活用するものです。

 これらを実践するときの課題はデータが分散していることです。ネットワークのデータを取得するには手間がかかり、また構造化された顧客管理データと、ログやテキスト等で得られる非構造化データを関連づけようとしても、タイムリーな分析はできません。

 さらに、データを収集する部門と、分析する部門、その結果を基に意思決定、アクションを行う部門が異なっていることも問題です。分析に時間がかかり、収集するデータも断続的なものになります。つまり、個々のデータを取ることはできても、それを統合して洞察を得てアクションを取るまでに時間がかかることが課題なのです。

 これに対して、ノキアの「Telco Analytics」はビッグデータ技術を使って、データを収集・分析し、アクションを取るまでの一連のプロセスをスピードアップするためのソリューションを提供します。機械学習や自然言語処理等を用いて、流れてくるデータを次々とリアルタイムに解析していく仕組みを用意し、さらにこれをどのような業務プロセスの中で使っていくのかというユースケースも合わせて提供している点が大きな特徴です。

 実際にどういったユースケースが考えられるのか、事例を紹介します。

 1つ目は、Tモバイルが行った予測型分析の例です。加入者のニーズに合ったキャンペーンを実施するために必要な統合されたデータをリアルタイムに手に入れ、さらに加入者に対してSMS等で通知を行うところまで自動化しました。キャンペーン通知のクリック率は4%から20%へと大幅に向上。また、キャンペーンの立案に要する時間も5日から1時間に短縮しています。

 2つ目は、リアルタイムにデータを処理して自律的にアクションを取るオンライン分析の例で、動的にQoSを制御することでユーザー経験を向上させるものです。ユーザー経験に大きく影響するWeb閲覧や音声、動画視聴のセッションに対して高い優先度を割り当てることで、ネットワーク自体の性能・容量を上げなくてもユーザー経験を向上させることができます。トライアルの結果では、回線容量の効率が20〜30%改善されることが確認できました。

 最後は、顧客経験を評価・管理するカスタマーエクスペリエンスマネジメント(CEM)の例です。ネットワークパフォーマンスを示すデータに、料金、使っているサービスや端末といった複数の要素を加味した指標で顧客経験の良し悪しを可視化します。これによって、顧客満足度を測る指標が、加入者ごとに連続的に得られるようになります。ある事業者は乗り換え予備軍のケアにCEMを活用し、3年間で3億円分の収益を守ることができました。

 このようにビッグデータで価値を生み出すにはユースケース、つまり、分析手法やアルゴリズムを提供するソリューションと業務プロセス、そして実行する組織のすべてがセットになって検討される必要があります。

 ノキアのTelco Analyticsは、このすべてをカバーしており、ユースケースを定義し、情報から洞察を得てアクションを行うまでの一連のプロセスを実際の組織に適用するためのコンサルティングサービスも提供しています。100以上のユースケースの中からお客様ごとに使えるものを提供できることが強みです。通信事業者がさまざまな部門でビッグデータを扱い、価値を享受できるようにする組織的な取り組みを支援していきます。

(文責・編集部)

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