第16回次世代ネットワーク&サービスコンファレンス 講演抄録
M2MからIoTへの進化を支える 新時代のサービス基盤
ノキアソリューションズ&ネットワークス 技術統括部 部長 柳橋 達也氏

IoTではM2Mに比べユースケース、ビジネスモデル、セキュリティなど多くの面で変化が見込まれており、ネットワークにも新たな対応が求められる。ノキアは、IoTサービス基盤をベースに、アプリケーションイネーブラの活用や分散処理、セキュリティのアプライアンスとの連携など、新たな提案を通じて、IoT時代の通信事業者のビジネスをサポートしていく。

 今日は「M2MとIoTは何が違うのか」「M2MからIoTになることでネットワークに何が求められるのか」、この2つをテーマに話をして参ります。

 一般にIoTという言葉はM2Mと同義、あるいは「M2MはIoTのサブセットで、IoTの方がM2Mよりも利用シーンが広い」という意味で使われることが多いと思います。まずM2MからIoTになることで何が変わるのかを、4つの視点から見ていくことにしましょう。

 第1の視点は、今申し上げた「ユースケースの拡大」です。IoTではM2Mに比べその用途、適応範囲が圧倒的に広がり、従来考えられなかったようなトラフィックの特性を持つサービス・アプリケーションが登場してくると考えられます。ネットワークの目線からIoTへの進化を考える時、これは見逃すことのできない要素です。

 我々は、IoTではまず低消費電力向けのデバイスに対するコネクティビティを提供する、やり取りするデータ量は少ないが、非常に多くのデバイスがネットワークにつながるようなユースケース・サービスが登場してくると見ています。次に超高速・大容量を必要とするもの。そして最終段階で、低遅延で非常に高い信頼性が求められるアプリケーションがネットワークに実装されていくことになると考えられます。

 2番目の視点が、IoTでは「セキュリティ」がさらに重要になるということです。これには大きく4つの要素があります。1つが歴史の浅さに伴う脆弱性です。IoTデバイスにも汎用OSが搭載されるようになっていますが、実装が浅く十分な対策が取られていないため、大量の監視カメラやビデオレコーダーが乗っ取られ、DDoS攻撃に利用されるという事例も出てきています。2つ目がこうした新たなDDoS攻撃などの「ハッキング技術の多様化・進化」です。3つ目が、IoTが「IoTが構造的に抱える問題」。例えば人手を介さないこと自体がセキュリティ上の問題になる可能性もある。4つ目が「利用シーンの広がり」によるリスクの増大です。

 3番目の視点が「ビジネスモデルの変化」です。IoTではM2Mに比べ、用途が格段に広がり、接続されるデバイスの数も膨大になります。こうした世界を実現にするには、サービス・アプリケーションの開発・提供を効率的に行える仕組みが必要になります。4番目の変化が「目的と動機」、モノとネットワークが相互に連携する新たな世界の実現が期待されています。

 こうした変化に通信ネットワークはどう対応していく必要があるのでしょうか。ノキアでは3つの提案をさせていただいています。まず1つ目、基本となるのがIoTサービスの提供に必要となる「接続管理」「デバイス管理」「データ収集・処理」などの機能を提供するIoTサービス基盤の導入です。これによりサービス・アプリケーションの開発が大幅に効率化できます。

 我々がこうした機能の中で重要だと考えているものにアプリケーション開発をパートナー企業やユーザーが自ら行えるようにする「アプリケーションイネーブルメント」があります。成長が見込まれるIoTでは通信事業者がすべてのサービスを開発・提供していく形は現実的ではありません。IoTサービス基盤により協業型の新しいビジネスモデルへの対応が可能になるのです。

 2つ目が分散IoTサービス基盤の活用です。例えばビデオ解析などでは全て処理をクラウドで行うとネットワークやクラウドの負荷が非常に大きなものになってしまいます。分散IoTサービス基盤はこうした課題の解決策になります。

 3つ目がセキュリティアプライアンスとIoTサービス基盤の連携です。これにより、デバイスのおかしな振る舞いをセキュリティアプライアンスが検知し、IoTサービス基盤で対処するといったことが可能になります。ノキアはIoTサービス基盤の活用提案を通じ、付加価値の高いIoTサービスの実現に貢献して参ります。

(文責・編集部)

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