[第20回]ワイヤレス技術セミナー「IEEE802ワイヤレス標準化最新動向」講演概要

 

【第1講演】 13:30〜14:10

高速認証で「立ち止まらずに使える無線LAN」を実現する802.11aiの詳細
講師:真野 浩 氏 株式会社アライドテレシス開発センター 取締役ルート研究室 室長

<講演内容>
 近年、無線LANはスマートフォンやタブレットなどの携帯端末に必須のインタフェースとして搭載され、利用者が急増しています。また、携帯電話各社や有線通信会社による公衆無線LANサービスが全国で数十万局を越えて展開されており、世界的にも重要な通信インフラとなりつつあります。さらに、スマートフォンのデータトラフィックの急増に対応する解決策として、無線LANによるデータオフロードをめざす動きも活発です。
 しかしながら、こうしてモバイル端末での利用者が拡大してきても、無線LAN自体は従来のノマディック利用が前提のままであり、現状では立ち止まってログインする必要があります。そこでIEEE802.11ワーキンググループでは、これらの利用シーンに柔軟に対応できるように無線LAN規格を拡大するべく、ユーザーが立ち止まらなくても即座に安心、安全に無線LANを使える 高速認証 技術 FILS(Fast Initial Link Setup)の標準化を推進するタスクグループIEEE802.11aiを立ち上げました。この802.11aiがめざす認証方式では、高速な認証接続とともに、駅やスタジアム等多くの利用者が集中する環境でも同時に十分なアクセスサービスができる収容能力の拡大もめざしています。
 本講演では、802.11aiの議長を務める立場から、これまで行なってきた標準化作業の経緯と進捗状況について報告するとともに、最新のドラフト規定に向けて議論されている技術の概要と今後の作業見通し等について解説していきます。


  • 802.11aiで検討している無線LAN高速認証技術FILSの概要
  • 802.11aiにおける標準化作業の経緯
  • 日本における本標準化の推進活動内容
  • 802.11aiがめざすスペック・技術的特徴
  • 今後の標準化作業の見通し

<講師略歴>
電子機器メーカー勤務の後、1988年に設計事務所経営を経て、1993年にルート(株)を設立。デジタル無線通信機器の開発を行いアナログとデジタルの融合技術によるネットワークのトータルソリューションを提唱。高速インターネットのインフラを構築する無線IPルータを開発し、地域情報化や学校ネットワーク等への導入を促進している。無線LANを用いた高速移動体通信システムの開発、事業化、無線利用、地域情報化のための各種審議会、研究開発事業にも多数参画。2012年アライドテレシス開発センターとの合併により、同取締役。無線LANの国際標準規格であるIEEE802.11aiの議長を務める。電子情報通信学会、IEEE会員。

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【第2講演】 14:15〜14:55

Sub1GHz帯で屋外大規模センサー群を収容可能にする802.11ahの動向
講師:島田 修作 氏 シュビキスト・テクノロジーズ・ギルド 代表

<講演内容>
 これまで、2.4GHz帯や5GHz帯で使用する無線LANを規格化してきたIEEE802委員会では、1GHz以下の免許不要周波数帯を用いて屋外など比較的大きなエリアにあるセンサー群をカバーすることができる無線LAN技術の標準化を、タスクグループIEEE802.11ahで進めています。
 本講演では、まず802.11ahで検討されている技術の応用や狙いについて解説するとともに、最新の審議状況とタイムラインについて報告します。


 (1)世界各地域の1GHz以下の免許不要周波数帯の状況
 (2)IEEE802.11ahの狙う利用シナリオ
 (3)IEEE802.11ahのPHY層技術の審議状況
 (4)IEEE802.11ahのセンサー群応用のためのMAC層技術の審議状況
 (5)現状の審議状況と今後のタイムライン


<講師略歴>
シュビキスト・テクノロジーズ・ギルド代表(ワイアレス・システム・コンサルタント)。産業用コンピュータ通信ネットワーク、高速AD変換LSI、通信信号処理、ワイアレス・チャネル・シミュレーション技術などの研究開発を電機メーカーで担当した後、IEEE802.11/15/16委員会のワイアレス技術の標準化活動に従事。多様な応用分野へのワイアレス・センサー・ネットワークの普及を推進している。
・情通審 950MHz帯 小電力電子タグ作業班員
・IEEE802.11 投票メンバー(2003-2012)
・IEEE802.15 投票メンバー(2004-2012)

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【お知らせ】 14:55〜15:00(5分間)

「IEEE-WCET検定試験」実施について モバイルコンピューティング推進コンソーシアム(MCPC)

 
 
 

<休憩 10分>

 
 

【第3講演】 15:10〜15:50

802.15.4gスマートメータリング普及の鍵を握るWi-SUNアライアンスの取り組み
講師:原田 博司 氏 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT) ワイヤレスネットワーク研究所 スマートワイヤレス研究室 室長

<講演内容>
 電気、ガス、水道などにおいてメータの自動検針及び管理等を円滑に行うために、有線ネットワーク及びワイヤレス通信を利用する「スマートメータ」および「スマートユーティリティネットワーク」に関するさまざまな研究開発と標準化が進められています。特に標準化に関しては、平成24年4月にIEEE802委員会において802.15.4gの標準化が終了しました。そして、この規格を利用したシステムを、スマートユーティリティネットワークのみならずM2MやHEMSへ展開するための検討が開始されています。このような状況を鑑み、各種アプリケーションに組み込まれた802.15.4gが搭載された無線機の相互接続認証を行う「Wi-SUNアライアンス」が2012年4月に設立されました。
 本講演では、このWi-SUNアライアンスの取り組みについて解説を行います。


  • スマートユーティリティネットワークの概要
  • IEEE802.15.4gの概要とその応用範囲
  • Wi-SUNアライアンスの概要(背景、目的、構成、現在の取り組み)
  • Wi-SUN 相互認証の概要、過去の相互接続イベントの紹介
  • 今後の展開

<講師略歴>
平成7年 郵政省通信総合研究所(現 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT))入所。以来ディジタル信号処理を用いた移動通信技術、ソフトウェア無線技術,コグニティブ 無線技術、ワイヤレススマートメータリングの研究、開発、標準化に従事。オランダ・デルフト工大研究員(平成8-9年)。電気通信大学客員教授(平成18年〜)、米国ソフトウェア無線(SDR)フォーラム理事(平成19年〜)、Wi-SUNアライアンス理事会議長(平成24年〜)、ホワイトスペースアライアンス理事(平成平23年〜)、IEEE Dyspan standards committee(1900)議長(平成20年〜)、IEEE802.15.4g副議長(平成21年〜)、IEEE1900.4副議長(平成19年〜)、IEEE802.15.4m副議長(平成24年〜)、TIA TR-51副議長(平成23年〜)等の研究/標準化活動に従事。現在、NICTワイヤレスネットワーク研究所 スマートワイヤレス研究室 室長。電子情報通信学会フェロー。

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【第4講演】 15:55〜16:35

TVホワイトスペース利用をめぐる無線LANと無線PANの新たな展開 −注目を集める802.11af/802.15.4mの概要を中心に−
講師:佐々木 重信 氏 新潟大学 工学部電気電子工学科 教授

<講演内容>
 無線データ伝送の需要を満足させる周波数帯域を確保する一つの手段として、地域/時間によって未利用の周波数(ホワイトスペース)の活用が注目されています。特にIEEE802委員会では、地上波TV放送周波数帯におけるホワイトスペース(TVホワイトスペース:TVWS)を利用した無線通信システム規格であるIEEE802.22の標準化が2011年7月に完了したことから、現在はポータブル向け無線機器をTVホワイトスペースで利用するための無線LANと無線PANの標準化に注目が集まっています。
 本講演では、TVホワイトスペースを取り巻く規格化の流れを総括しつつ、そのなかでも注目度の高い無線LAN規格の802.11afと無線PAN規格の802.15.4mについて、位置づけや最新の標準化動向を解説していきます。あわせて、ホワイトスペースを巡る規制等の検討状況に触れながら、それに伴うIEEE 802委員会の対応などを紹介し、今後の展望について論じます。


  • TVホワイトスペースをとりまく標準化の概況
  • IEEE802.11afの位置づけと標準化動向
  • IEEE802.15.4mの位置づけと標準化動向
  • ホワイトスペース利用に関する規制の検討とIEEE802委員会の対応について
  • まとめ、今後の展望

<講師略歴>
昭和62年 長岡技術科学大学工学部卒。平成4年 同大学院博士後期課程単位取得。平成5年 博士(工学)(長岡技術科学大学)。平成4年より新潟大学工学部に勤務し、平成21年より現職。平成11-12年 米国カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員。平成13-16年独立行政法人 情報通信研究機構専攻研究員を併任。CDMA、UWBなどのワイドバンド無線通信システム、コグニティブ無線技術に関する研究に従事。研究活動と平行してこれまでにITU-R TG1/8におけるUWB無線システムの国際標準化に従事し、現在はIEEE 802委員会においてTVホワイトスペースを利用した無線通信システムの標準化活動に従事。IEEE会員。電子情報通信学会シニア会員。

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