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 2005年9月号

地域共同センター構築とFAQ拡充で
自治体CRMを促進する

岐阜県 知事公室参事(情報化推進担当)
知地 孚昌氏


eガバメントの掛け声のもと、緒についた自治体CRM。財政難、市町村大合併など地方自治体を取り巻く課題が多いなかで、地域住民の満足度向上を効率的に図る“経営ツール”としてCRMが注目されているが、その取り組みには各自治体でかなり温度差がある。自治体CRM成功の鍵はなにか―eガバメントで先行した岐阜県は、地域共同のコールセンター構築やFAQの有機的な利用促進など、CRMの自治体活用においても先鞭を付けようとしている。日本アイ・ビー・エムのCRM営業責任者などを歴任し、現在岐阜県の情報化推進を担当する知地 孚昌・岐阜県 知事公室参事に、現状と今後の展開を聞いた。

Profile
知地 孚昌(ちじ たねまさ)
岐阜県 知事公室参事(情報化推進担当)
1946年、北海道帯広市生まれ
1970年、日本アイ・ビー・エム入社。SE、営業部長、CRM営業責任者などを歴任
2002年、日本アバイア入社。取締役アライアンス事業部長
2003年、岐阜県庁入庁。岐阜県の情報戦略全般を担当、現在に至る

――岐阜県はeガバメント(電子自治体)のリーダーシップを取っている自治体として知られていますが、現状の取り組みは如何ですか。

知地 IT先進県として政府主導プロジェクトのeジャパン構想を他県に先駆けて牽引し、岐阜県が推進するD(デジタル)ガバメントとの整合性を図ってきたことは確かです。今後もIT先進県のブランドを維持し続けるという基本スタンスは変わりありません。ただし、文書管理・申請・手続きの電子化だけでは住民サービスは向上しません。また、自治体ポータル(自治体の公式Webサイト)にしても利用価値が高く使い勝手が良いものでなくては住民の満足は得られません。『行政サービスの全ての視点は住民本位でなくてはならない』という基本に立ち返った時、eガバメントの在り方もITツールの活用も、地域住民にとってもっと利便性があってしかるべきです。そこで、改めてプロジェクトを見直し、県下の市町村と一体となって地域住民視点の仕組みに変えていこうとしているのが、現在のフェーズです。

究極のFAQ拡充の前提として
まずポータル強化に取り組む

――一方では、市町村合併が急速に進んでいますが。

知地 行財政改革の一環として合併は必然でしょう。岐阜県でも市町村の大合併が一巡したところです。それでなくとも、団塊の世代の大量退職で今後、市町村の職員は漸減していきます。従来の村役場が市の支所に変わり、必要最低限の職員しか確保できなくなるなかで、物理的な住民サービス、いわゆるリアルガバメントの窓口対応を効率的にカバーするツールとして、IT活用の幅をもっと広げなくてはなりません。しかも、あくまで地域住民から評価されるITツールでなくてはいけません。

――具体的なITツールの仕組みは。

知地 究極的にはFAQを拡充することが最も有効だと考えています。しかし、地方自治体に寄せられる問い合わせ内容は実に多岐にわたるだけに、企業がFAQを構築する以上に難しさが伴います。電子申請にしても、毎日行政側とのやり取りが必要な地域住民はほとんどいません。そこで取り組んだのがポータルのさらなる強化でした。行政サービスのFAQを拡充する前提として、まずポータルに日常的に慣れ親しんでもらい、生活の一部として認知してもらえれば、いざ行政サービスが必要になった時にFAQ、さらに電子申請を効果的に利用してもらえるはずです。10万ページにもわたるポータルのコンテンツを、改めて地域住民視点からゾーン別に括り直し、楽しくて参考になり、かつ探しやすいフローに改編しました。日常生活に必要な各種情報を日々更新し、あたかも新聞のような感覚で毎日見てもらえるようにしたのです。もっとも、住民サービスの主体は市および町村側にあります。ただ、市などのホームページではどうしても行政側の情報を流すだけのサイトになりがちです。そこで、県のポータルサイトが入口となり、必要な情報の問い合わせ先やFAQとリンクさせる仕組みを目指したのです。ポータルのリニューアルにより利用(アクセス)数は大幅に増加しました。

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