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――具体的な方策はあるのですか。

知地 CRMの観点で言えば、まずリクエストプロセスの管理徹底を図ることです。ここで注目したのは東松山市(埼玉県)の先行事例でした。Q&AとしてのFAQではなくして、市職員の業務を全てプロセス管理することを前提に住民のリクエストを登録していき、その処置プロセスの履歴をそれぞれ関係するセクション(担当課など)が持っておくべきと言うのが、東松山市の考え方です。これをバックヤードにコールセンターを作れば、オペレータは単純にFAQを参照するだけに留まらず、そのリクエストプロセスに関係しているセクションにアクセスし、進捗状況などを的確に答えることが可能になります。時間はかかっても、まずプロセス管理を徹底化した後にコールセンターを作る正攻法と言えます。一方、具体的な形から入り機能を拡充していこうとされているのが札幌市でしょう。政令指定都市クラスでは至上命題であるゴミ分別から始まり、住民対応センターの規模を増やしていくやり方ですが、これも即効力のある先行事例として参考にしました。ただし、これを単独ではなく市町村と県の共同センター構築によって実現しようとしているのです。

マルチチャネルの住民対応と
市町村バーチャル連携の理想形を追求

――リクエストのプロセス管理は核心だが、具体形としてコールセンターの早期構築にもこだわったということですね。

知地 そういうことになります。また、市町村合併直後の過渡期であることがタイミング的にもフィットしたのです。職員が減っていく過程で住民サービスを効率的に維持・向上する手段としてコールセンターを構築し、それを有効に機能させるためにプロセス管理を徹底化することは、理にかなっています。市町村と県が最終的に目指している自治体CRMのイメージは次のようなものです。地域住民に対して電話、Eメール、FAQなどマルチコンタクトチャネルを用意し、電話は共同センターを構築して一次応対します。そして市町村および県の担当者とバーチャルに連携することでヘルプデスクや相互の連絡・業務指示のスムーズ化を図ります。一方、FAQを拡充し、地域住民が検索するだけでなく、コールセンターのオペレータや各市町村の担当者が有機的に活用する仕組みを構築します。この際の要諦はケース管理、つまり単純なQ&Aではなく、時間経過などによって更新・変更されていくプロセスを履歴としてしっかり管理し、これをパターン化してシングルポイント(1つの窓口)で応えられるようにするものです。いわば、共同センターとFAQの組み合わせを広義の自治体ポータルとして機能させ、住民と共に市町村および県の担当者が相互に利用し合える自治体CRMの理想形を今後も追求していきます。
(聞き手・鈴木 信之)

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