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コストだけ見ていても関係強化できない
中長期を見据えた絆づくりを実践

――先ほどのお話では、情報収集だけでなく情報発信も行うとのことですが。

石橋 現在、ネスレがグローバルで取り組んでいるのが「栄養・健康・ウエルネス企業」への転換です。一般的にネスレといえば、コーヒーとチョコレート(キットカット)の会社というイメージですが、これからは消費者の健康を考えて情報提供していく栄養パートナーとしての活動を強化していきます。主に3つの取り組みがあり、1つは社員がまず健康になること。実際に、全社員に向けて栄養健康に関する研修を実施します。2つめは、製品開発での取り組みです。「ニュートリショナル・プロファイリング」といい、WHO(世界保健機関)などの勧告を参考に、製品カテゴリーごとに摂取量を減らすべき栄養素などの含有量について当社独自の基準を設け、すべての製品をチェックしています。これにより、お客様に安心して美味しく日常的にご利用いただける製品をお届けしています。
 3番目はコミュニケーション。「ニュートリショナル・コンパス」は、製品に含まれる栄養素や健康情報をパッケージの裏面にわかりやすく記載するものです。また、パッケージの表面のカロリー数と合わせて、お客様自身が「この製品なら1日いくつまで食べても大丈夫」と健康設計ができるように工夫されたカロリーガイド表示もスタートしています。この一環で、ネスレVOCセンターでは「食と健康の相談デスク」を設けています。もともとトゥギャザー・ネスレ会員向けのサービスだったものですが、栄養素や健康維持に関する問い合わせが増えてきたため、今後は一般にもサービスを開始していく予定です。既存窓口で応対中にお客様が希望されれば、管理栄養士の資格を持った専門アドバイザーに、いつでもエスカレーションできる体制です。

――消費者とのコミュニケーション重視という方針は、通話時間ひとつを取ってもコスト増になります。このコストを会社はどう見ているのでしょう。

石橋 抑えるところは抑えるべきですが、中長期的に見てお客様のロイヤルティが高まれば売り上げもついてくると考えています。消費財の場合、ファンが増えればクチコミでどんどん良い評判が広がります。もちろん逆もありますが、コミュニケーションをしっかり取り、正しい情報を伝え、信頼関係を築いている限りは、いつまでもファンでいてもらえます。実際、引越しをされてもトゥギャザー・ネスレのサービスを引き続き受けたいという依頼が毎月1000件以上あることも見ても、これまでの取り組みが評価されているのだと思います。体制強化を図りましたので、会員以外のお客様にも感情的な絆づくりを心掛けています。
(聞き手・山本 浩祐)


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