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――第3者機関の調査による「顧客満足度NO.1」をキャッチコピーにしたり、自社で顧客満足度(以下CS)を測定する企業が増えています。CSとマーケティングの専門家の立場から、こうしたトレンドについてご意見をお聞かせください。
小野 CSを戦略的ではなく、戦術的に活用している傾向が強いように感じます。格付け結果のみを重視したり、スローガン的に活用しているのがその典型です。
これはよく言われることだと思いますが、『CS向上が会社の利益に直結しているのか』を科学的に検証する文化が国内にはないのが現状です。米国では、ミシガン大学が中心となって国家的施策としてCSを指数化する「ACSI(American Customer Satisfaction Index)」という取り組みがありますが、これはCSI(顧客満足度指数)と企業の株価や収益の連動性を検証する研究も行われています。また、CSIとGDPの変動を比較するといったアプローチも取られています。日本でも、まったく同じことは難しいにせよ、まずはこうしたデータとロジックの構築が必要だと考えています。
――CSを科学するためのロジックについて、具体的な例を教えてください。
小野 例えば、CSを検証する場合、利益だけでなく市場シェアとの相関関係を見る必要があると考えています。一般的に「シェアの高い企業や業種ほど満足度が高い」と思われがちですが、実際は逆のことが多いのです。対象顧客の幅が広ければ広いほど、ニーズが多様化しますので画一的なサービス提供では満足度を高めることが難しくなります。一方で、対象となる顧客の層が狭く、かつ明確な市場――ニッチマーケットほどCSが高い傾向が強いのです。このように市場構成要素まで含めて検証しないと、CSを科学的に分析することは不可能です。
昨年から今年にかけて、経済産業省の支援のもと、サービス産業生産性協議会が中心となって産・官・学が連携した顧客満足度調査――『日本版CSI』を立ち上げ、実調査も開始していますが、シェアとの関係性が顕著に見られたのが携帯電話業界で、少数企業による寡占度が高いがゆえに他の業界よりも満足度が低いという結果が出ています。
CSを因数分解する『日本版CSI』
業界横断的なベンチマークが可能
――日本版CSIの狙いと概要を教えてください。
小野 最大の目的は、「サービス業における生産性向上」にあります。サービス業には、品質や生産性が見えにくい――数値化しにくいという特性があります。とくに、競争力を高めるために必要な付加価値を数字で測定し、比較することは至難の業です。日本版CSIは、すべての対象業種で同じ調査を実施することで、高い成果を生み出している企業や市場をベンチマーキングできる指標として開発されたものです。
モデルになっているのはACSIですが、商習慣や購買行動に違いがあるため、そのまま翻訳するだけでは使いにくいものでした。そこで、表現を中心に日本向けにカスタマイズしたうえで、航空、携帯電話、フィットネスクラブやシティホテルなど18業種にわたってインターネット・リサーチを活用して調査を実施しました。サンプル数は1社あたり300件、対象企業は売上高をベースに抽出しています。
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