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――CS調査は、同業種間で行うことでベンチマーキングできるという考え方が根強いと思うのですが。
小野 消費者は、生活のなかでさまざまな商品やサービスを比較、選択しています。従って、業種・業界を横断的に比較するための“ものさし”を作ることで、消費者の購買行動や心理をより深く理解できるはずです。業界の垣根を越えてCSを検証することで、自社や属している業界のポジショニングが明確になり、ターゲットや行うべきサービスの見直しなど、調査結果の戦略的活用ができるようになると考えています。
――調査設計だけでなく、分析も担当されているとお聞きしていますが。
小野 CSを構成する要素を多次元的に検証しています。具体的には、利用前の期待、利用した際の品質(知覚品質)、価格への納得感(知覚価値)といった“原因系”の要素と、総合的な満足度、他者への推奨、継続的な利用意向といった“結果系”を重ねて検証できる調査票を設計しています。共通設問を設けることによって各因果モデルにおける業界間企業比較ができるとともに、因果関係の強弱も業界ごとに検証できます。長期にわたって繰り返し実施することで、特定の企業や業種のCSがなぜ、どのように変化しているかも検証可能となります。
また、利用した際の品質評価である知覚品質については、サービスプロセスを「事前の提案力」「利用しやすさ」「顧客接点の対応力」「商品魅力度」「事後の問題解決力」に分解して調査し、日本版CSI独自のSQI(Service Quality Index:サービスプロセス評価)として指数化しています。現時点では、SQIを一般に公開する予定はありませんが、これを異業種間で比較することで、サービスの強みと弱みを可視化することができます。例えば、コールセンターの対応品質が知覚品質にどの程度のインパクトがあるのかということも、同業種だけでなく異業種間でベンチマーキングできるということです。
――CSを構成する要素を因数分解するようなイメージですね。ただし、インターネット・リサーチの活用は、調査対象の偏りを生むなどの信頼性への不安が指摘されていますが。
小野 従来から行われている郵送調査との比較も行いましたが、実際には回答にほとんど差は見られませんでした。また米国や欧州などのCSIで行われている電話調査、あるいはシンガポールなどで行われている対面調査は、調査コストの点から十分なサンプル数を得ることが難しいのが現状です。もちろん、調査対象については、年齢別人口構成に沿った抽出、サービス利用経験に関する予備質問を実施してヘビーユーザーに偏らないような対象を抽出、モニター1人について回答できるのは1社のみ――といったスクリーニングを実施し、偏りを防止しています。また、1社あたりサンプル数は米国(250件)よりも多く設定しています。
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