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――すでに調査は予定している業界を一巡したと聞いておりますが、何か特徴的な結果は出ましたか。
小野 あくまでも本格導入前の実験調査の結果にすぎませんが、日本のサービスは、グローバルな観点から見てもレベル(品質)が高いという評価がされている傾向が強いにも関わらず、多くの業界で外資系各社が上位を占めるという結果が出ています。詳しく分析してみないとわかりませんが、これは、企業のポジショニングとターゲッティングが明確で、それに基づいて提供すべきサービス品質を決定することでブランド力を醸成している――つまり顧客満足をより戦略的に捉えている傾向があるのかもしれません。
しかし、流通業の調査においては、おもしろい日本企業がありました。大手企業のひとつなのですが、SQI分析の結果、「利用しやすさ」は最低評価にも関わらず「商品魅力度」は最高の評価という結果が出ているのです。これは、ディスプレイなどをあえて利用しにくい形態にし、特徴を出すことで企業ブランドを育成している好例だと感じました。
「CS向上」は単なるスローガンではない!
順位に一喜一憂しない活用が重要
――日本版CSIは、その結果である順位や格付けを発表されることについて戦々恐々としている会社が多いようです。
小野 もちろん、結果の公表については慎重に行う方針です。ただ強調しておきたいのは、『CS調査とは格付けがすべてではない』ということです。とくに日本版CSIは格付けは二の次以下のもので、品質と生産性の可視化によるCSの戦略的活用が目的です。
さまざまな調査機関が実施している同一業種におけるCS調査を全面的に否定しているわけではありません。これらは、消費者側からすればサービスや商品を選定するうえでひとつの目安になっていることは間違いないでしょう。しかし、企業側はもっと戦略的にCSを捉えるべきです。経営陣が格付けだけに一喜一憂する、あるいは「顧客満足度NO.1」が単なる宣伝文句だけにとどまっていては、CSを左右する原因も、その結果、何が企業のメリットとなっているのかも究明できません。
――サービスの可視化、つまり“見える化”は取り組む企業が増えていますが、CSとは本来、その検証素材となるべきということですか。
小野 昨今、CSや品質、生産性と関連する企業活動として見える化がキーワードになっていますが、これも単なるスローガン的になっているケースが多いような印象があります。CSを構成する要素、その結果生み出される成果を業界横断的かつ科学的に検証することで、はじめて企業の品質や生産性は見える化できるはずです。そうした意味では、日本においては「真のCS」とは実は見えていないのが現状ではないかとすら感じています。日本版CSIは“顧客満足の構造を解き明かす診断システム”として機能するように、対象となった業種や企業すべてがサービスのプロセスや成果を目に見える形で検証できる発表の仕方を模索しているところです。
(聞き手・矢島 竜児)
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