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――信頼性KPIを経営指標として定め、カンパニー評価の対象にしたということは、もし達成されない場合の罰則規定などがあるのですか。
吉田 各カンパニー長とアンカーは、この達成度合いが査定の対象になります。また、罰則というわけではありませんが、カスタマーの声のデータはカンパニーごと、媒体ごと、営業拠点および営業担当者ごとなどに細分化して紐づいていることから、例えば、ミスが度重なったり重大な問題が生じた場合は、その担当者と管理者を呼び、注意を促したり該当の研修を受けさせるケースもあります。
――信頼性KPIを設定したことによる成果は出ていますか。
吉田 原稿ミス、電話番号ミス、表記不足や表記ルール違反といったリクルート責任に起因する苦情件数は、2008年度で11.4%減少(対前年度比)しています。これは全く皆無になるものではありませんが、低減可能な限界値を目指しています。各業界・業種ごとの規定やルールの整備、理解向上の施策として、カンパニーごとに広告取り扱い試験を導入したこともKPI設定が契機になっています。一方、クライアント責任では例えば、ある旅行会社のトップと当社の営業担当者が一体となってカスタマーの声のデータに基づいて改善会議を開き、年間15件の苦情を半年間で1件に減少したケースも出ています。また、当室では社内イントラネット上でカスタマーの声の集計・分析結果を発信していますが、その閲覧が月に1万5000件に達するなど、信頼性KPIの設定をはじめとした当室の取り組みが全社に浸透し、商品・サービス改善やカスタマーの声への理解、ひいてはCSマインドが醸成されてきたと感じています。
次フェーズは“魅力的品質”への対応
苦情から「要望」へKPI設定を進める
――まず苦情にフォーカスした信頼性KPIの次のフェーズは。
吉田 カスタマーにとっての品質には、これまで申し上げた当たり前品質ともう一つ、「魅力的品質」があると捉えています。これは、充足されればされるほど競争優位につながる品質項目です。したがって、カスタマーの声から苦情の次は要望にフォーカスして、これを抽出・分析することで商品・サービス改善につなげることが、今後の信頼性KPI設定のテーマとなります。ただし、苦情は例えば80を70にすることは出来ても、10からゼロにするのは至難です。ですからキープラインを決めて、ここを確保しつつ新たなKPIを設定していくカンパニーがこれから出てくることになるでしょう。
―― 一方で、量的に多い相談への対応はどうされるのですか。
吉田 一般のご相談については、CSを維持しながら生産性向上を図るのが命題となります。この決め手はFAQの拡充です。紙媒体からネットへのシフトが進む中で、Webをみて問い合わせというパターンが増えています。そこで現状のFAQを、よりカスタマー視点で“使えるFAQ”にしていく考えです。これにより、相談件数自体を30%減らすことを目標にしています。そして、電話(有人対応)では、もっと建設的なご意見やご要望をお聞きするケースが増えれば理想的です。
(聞き手:鈴木 信之)
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