土台からしっかり学ぶ──
ソフトウェアテストのセオリー

型どおりの教科書に終わらず、詳しい実例解説と実務のヒントを満載
小川秀人・佐藤陽春・森拓郎・加賀洋渡 共著 A5判 420ページ 定価:3,740円(税込) ISBN:978-4-86594-362-7 2023年4月中旬刊行
電子書籍
テストプロセスの設計から各種手法、技術選択を裏付けるロジックなど、本書はソフトウェアテストの全体像を網羅し、初歩から体系的に整理。研究開発と業務の第一線で活躍中の著者陣が知見を持ち寄りました。通り一遍の教科書に終わらず、詳しい実例解説や最新の話題、実務の手引をふんだんに盛り込んでいます。奥深い──知的刺激に満ちたテストの世界を堪能してください。
内容詳細
 ソフトウェアテストは、テスターや品質保証部門だけの仕事ではありません。単に不具合を見つけ出す以上の役割があるのです。本書は、そのような「ソフトウェアテストの広い役割を知ってほしい」と思って執筆しました。
 主な読者には、「開発経験は多少あるものの、テストについてはこれから」、あるいは「改めて知識を整理したい」というエンジニアの方々を想定。基本的な概念を体系的に示しつつ、新しいトピックスも含めることで、ソフトウェアテストの全体感を一冊で俯瞰できるようにしました。また、多くの先人たちの知見を紹介する一方、筆者たちが業務で行っている工夫を加え、読者が実践的な技法まで修得できるよう最大限努めました。
 本書の執筆陣は、幅広い事業領域を持つ企業で、各々が複数の製品ドメインに携わってきた研究者や技術者です。社内外でテスト技術の普及活動にも携わってきました。それぞれが得意とするネタを持ち寄って、できる限り広範に、実践的な内容を盛り込みました。
(本書「まえがき」より抜粋して編集)
■著者プロフィール
小川秀人(おがわ ひでと)
株式会社日立製作所 研究開発グループ 主管研究員。博士(情報科学)。ソフトウェア開発技術の研究や適用に従事。開発に役立つと感じた技術にいろいろ手を出してきたが、振り返ればソフトウェアテストに関する取り組みが多い。日立グループ横断で組み込みソフトウェア開発の改善に取り組む活動に長年関わってきた。情報処理学会や、AIプロダクト品質保証コンソーシアムの運営、セミナー講師など社外での活動もある。共著書に『AIソフトウェアのテスト──答のない答え合わせ[4つの手法]』(2021年、リックテレコム刊)など。趣味はアクリル絵の具と戯れたり、レザークラフトを作ってみたり、星空写真を撮ってみたりと、サイバーよりフィジカル派。
佐藤陽春(さとう あきはる)
ソフトウェア開発などITのインストラクターを経験したのち、現職である日立Astemo株式会社に移り、ソフトウェア開発環境の改善を担当している。約10年前から日立グループ横断の活動として、参加メンバのテストの悩みの解決を目的としたソフトウェアテストワーキンググループを運営。社外活動としてテスト設計コンテストの運営にも携わっている。IT資格をソフト開発系中心にそこそこ所有。エンベデッドシステムスペシャリスト、情報処理安全確保支援士(未登録)、Oracle Certified Java Programmer, Gold SE 8、UMTP L3、JSTQB Advanced Levelテストアナリスト、技術士(情報工学部門)など。コロナ太りだったが半年間で劇的な復活(体重を1割落とした)。ダイエット本も書けるかも。
森 拓郎(もり たくろう)
株式会社日立製作所 研究開発グループ 研究員。入社以来主にソフトウェアの改善に関する研究開発業務に携わる。担当した分野は多岐に渡り、ネットワーク機器、金融システム、電力システム、車載装置から医療機器など。また社内横断活動として、ソフトウェアテストとソフトウェアアーキテクチャのワーキンググループの運営に参画しており、日々メンバの技術力向上をめざしてディスカッションやコーチングを推進している。料理、アウトドア、プログラミングなど、作って楽しむ趣味を愛する。「バグを憎んで人を憎まず」がモットー。
加賀洋渡(かが ひろと)
株式会社日立製作所 研究開発グループ 研究員。組み込みソフトウェアの性能改善や、ソフトウェアテストの自動化、CI/CD の導入に従事。日立グループを横断したソフトウェアテストに関するワーキンググループを運営。国内外の山を登るのが趣味。日本から片道七日かけて登ったパタゴニア地方では、飛行機の運休や急な宿泊地の変更などのトラブルに見舞われるも、なんとか登頂。絶景を目の前にして苦労が報われた。
■本書の主な内容
序 章 ソフトウェアをテストするとは?
第 I 部 テストってなに?
第1章 ソフトウェアテストの概要
第2章 ソフトウェアテストのプロセス
第 II 部 テストしてみよう!
第3章 テスト設計のセオリー
第4章 要求や仕様に基づくテスト技法
第5章 プログラムコードに基づくテスト技法
第6章 人が持つ情報に基づくテスト技法
第7章 テスト実装と実行のセオリー
第8章 テスト環境のセオリー
第 III 部 テストをもっとうまくやろう!
第9章 テスト計画のセオリー
第10章 テスト管理のセオリー
第11章 自動テストのセオリー
第 IV 部 より深く理解しよう!
第12章 ソフトウェアを動かさないテスト
第13章 いろいろなテスト技法
第14章 テストプロセスの改善