
コールセンターの業務や提供するサービスの改善には、“顧客視点”が重要なキーワードとなる。製薬会社の日本ベーリンガーインゲルハイムでは、実際にかつて顧客だった薬局・病院の薬剤師経験者を派遣スタッフとしてセンターに招き入れ、真のニーズや不満を洗い出して業務改善を図っている。これにより、多数の成果を上げた。主なポイントは以下の3つ。
(1)コスト削減に留まらない派遣導入
ともすれば派遣社員の導入は、人件費の高い正社員の“代替”として捉えてしまいがちだ。しかし、削減したコストは企業ではなく顧客に還元することが重要。業務改善ためのプロジェクト推進やIT投資などを行うことで、顧客満足度向上につなげていく。
(2)“元顧客”からヒントを得る
雇用した派遣社員から、薬剤師として製薬会社と付き合っていた時の体験を引き出し、改善のヒントを見つける。
(3)役割分担を明確にする
派遣社員を正社員の代替と捉えない。正社員ができることは正社員が行い、できない部分を派遣社員に依頼する。協業体制を採ることで、電話対応とバックヤード業務の双方の効率化を図る。