
VOC(顧客の声)を商品・サービスの改善に活用するという手法はすでにあたりまえのものになりつつあるが、問題はそれを業務サイクルにいかに組み込むかにある。
不払い問題などをきっかけに顧客志向が強まっている保険業界。損保ジャパンでは、従来からコールセンターをはじめ社内各部署が一丸となり、VOCをもとに商品・サービスの「わかりやすさ」を追求する体制を構築している。取り組みを続けること4年。活動サイクルは軌道に乗り、改善事例は100以上にのぼる。この取り組みのポイントは、2つ。
(1)質の高いデータを収集する
応対ログを入力するオペレータにVOCの必要性を説明し、意識を高め協力を求めた。理解が浸透するに従いより具体的な応対ログの蓄積が進んだ。
(2)的確な相手に最適なタイミングで必要な情報をフィードバックする
各フィードバック先との意見交換の場を頻繁に設け、どういう情報をいつ求めているのかを正確に把握。経営から担当者レベルまでを集めたミーティングを通して、情報の共有と改善案の策定を進めている。