個人消費が低迷するなか、通信販売市場は右肩上がりの成長を続けています。その要因をどうみていますか。
佐々木 右肩上がりというよりも、ようやくマーケットを開拓する環境が整いつつあるということだと思います。従来は、そのポテンシャルの高さとは裏腹に、参入業者の力量不足などから消費者側の信頼を得ることができませんでした。カタログ通販にしても、今日でこそ非常に洗練された誌面構成になりましたが、かつては商品のいかがわしさが目立ったものです。TV通販も地上波番組の合間や番組内CMをスポット的に打つといったインフォマーシャル(インフォメーション+コマーシャルの造語)方式が主流。これでは偶発的にヒット商品が生まれることはあっても、情報を提供する企業のブランドイメージを定着させることは難しい。そうした状況が規制緩和やデジタル技術の進歩で、CS局などに24時間専門チャンネルを開設できる環境が整いました。さらに、インターネットの普及がチャネル拡大に寄与したことはいうまでもありません。
御社が手掛けるTV通販は、通販市場全体のなかでどんな位置付けなのでしょうか。
佐々木 現在全体の市場規模は約2兆4000億円といわれています。このうち約2兆円をカタログ通販が占め、残りの4000億円をTVとインターネットで分け合うというのが大まかな内訳です。
TV通販は米国でカタログ通販の約半分、韓国にいたってはほぼ同規模の市場を形成しており、日本でも成長余地は大きいはず。今日インフォマーシャル方式が全体の4分の3と大勢を占めますが、今後は「生放送」を強みにする専門チャンネル方式の訴求力が高まっていくのではないでしょうか。こうした見通しのもと、当社は24時間の放送枠のうち15時間を生放送に充て、30〜50代の主婦層をメインターゲットに化粧品やファッション、ジュエリー、食料品など連日150アイテム以上の商品を紹介。全国160のCATV局や「スカイパーフェクTV!」、「スカイパーフェクTV!2」といったCS局と契約を結んだことで、視聴可能世帯を約740万まで伸ばしてきました。 |