CRMパッケージと呼ばれるアプリケーション群は、ここ数年高機能化が著しく、国内での導入企業も増えている印象を受けます。実際に開発・販売しているベンダーから見て、市場環境をどのように捉えていますか。
加賀山 CRMシステムに限らず、世界的にIT投資全般の傾向はカスタムメイドからパッケージ製品に向かっていると考えています。その背景には、多くの業種・業界が国際的な競争にさらされた結果、ソリューションの導入に“スピード”という要素が求められていることと、そういった業種では各国でバラバラだった業務プロセスを一元化する動きが見られていることがあります。これは、当社にとって強力な追い風といえるでしょう。
しかし、CRMに限って言えば、明らかに“踊り場”に差し掛かっており、新規案件をはじめとした売上げベースでは厳しい状況といわざるをえません。
新規案件の伸び悩みは、業界各社が一致した見解のようです。要因をどのように考えていますか。
加賀山 ソリューションの導入効果がなかなか表面化しないことがあげられます。例えば、ERPはコスト低減へのシミュレーション手法が確立しているので経営者にとってはROIがわかりやすい。
しかし、CRMはその実証が難しいのが現状です。これでは、ソリューションの訴求力は弱いと言わざるを得ません。当社にも、米国の事例などから換算した雛型はありますが、すべてに当てはめることは不可能です。これをどのようにお客様に提示できるかが、大きな課題となっています。
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