松下電器グループは、今年の1月に大幅な事業再編に着手しました。そのなかで、パナソニック システムソリューションズ社の位置付けと役割を教えて下さい。
秋山 当社は、松下電器産業のシステム営業本部、システムソリューション事業本部、ブロードバンドシステム本部と松下通信工業のシステムソリューションカンパニーを母体として発足したインサイト・ドメイン・カンパニーです。主な事業領域としては、官公庁や自治体、一般企業向けに製品やソリューションを提供することを中核に置いています。
(事業再編の)狙いは、これまでのプロダクト中心の考え方から、顧客オリエンテッド志向への転換にあります。当社でも、これまで別会社や別部門だった開発・製造・販売・サービスの各事業領域を一つのカンパニーに一元化することで、お客様のニーズをより速く、的確に捉えたトータルソリューションを提供することができると考えています。
松下電器といえば、“家電のトップメーカー”というイメージが強く、エンタープライズ向け業務システムのメーカーとしての認知度はさほど高くない印象があるのですが。
秋山 松下電器グループでは、数年前から約1400億円を投じて社内業務のIT化に取り組んできました。その過程で得たノウハウはナレッジベースとして蓄積され、全グループで共有しています。さらに、企業ネットワーク・インフラの構築にはすでに数多くの実績がありますので、この2点を武器に産業用システムのメーカーとして事業展開する方針です。
ネット家電を業務端末に
マン・マシン・インタフェースを強化
では、CRMソリューションの提供について施策や方針を聞かせてください。
秋山 まず、キーワードとして捉えているのが「ユビキタス・ネットワーク」です。ブロードバンドの急速な普及によって、どんな環境でもネットワークに接続できるインフラ構築への要求が高まっています。それには、“Non PC環境”でもインターネットにアクセスできるようなデバイスが必要になります。それが、松下電器が他社に先駆けて取り組んできたインターネット家電や動画・音声のストリーミングを可能とする携帯端末の活用です。これを、顧客対応の業務レベルで駆使できるようなCRMシステムを提供したいと考えています。
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