具体的なソリューション形態としてはどのような形が考えられるでしょうか。
秋山 “いつでもどこでも”ネットワークにアクセスできるということは、企業側は24時間365日、顧客対応ができるオペレーション体制が要求されます。そうした意味では、ユビキタス・ネットワークを活用したCRMソリューションに最も必要な要素とは、マン・マシン・インタフェースを強化したセルフサービスの仕組みということになるでしょう。
例えば、インターネットにアクセスできるデジタルTVなどの家電製品を端末として、CGや動画で商品やサービスを紹介する――言い換えれば、エージェント機能そのものをデバイスに持たせるようなシステムが今後のCRMソリューションに求められるということです。
パナソニック システムソリューションズ社では、そのような仕組みをミドルウエアや業務アプリケーションのレイヤーから提供していくのですか。
秋山 それも考えていますが、CRMに限らず、エンタープライズ向けのソリューション事業では、当社は後発組ですので、他社と同じようなアプローチをしていては勝ち組にはなれません。従って、得意分野をフルに活かしたソリューション体系を作り上げる方針です。
当社が最も得意とするのは、やはり“モノづくり”の分野です。また、業種や規模を問わず、ユビキタス時代を迎えるにあたって、最も要求度合いが高いのはより強固なネットワーク・インフラの構築です。そこで、まずは従来通り、ネットワーク機器やデバイスといったハードウエアの領域を事業の収益構造の中核とし、将来的にノンハード・ソリューションへ展開すべきだと考えています。
CRM分野のアプリケーションに関しては、お客様のニーズに合致したものを市場からチョイスして提案する方針です。その第一候補と考えているのが、松下電器グループが2000年から自社で活用している米ブルーマティーニソフトウェアのeCRMパッケージ「BLUE MARTINI(ブルーマティーニ)」です。
自社の導入・運用ノウハウをナレッジ化
コンサルティングに活用
CRMパッケージは、ここ数年でラインナップが最も拡大している市場です。そのなかで、BLUE MARTINIを採用するに至った決め手は。
秋山 eコマース・サイト構築のためのコンテンツマネジメント機能に長けていることと、マーケティング機能が充実している点です。松下電器グループは、各カンパニーがそれぞれ膨大な製品を取り扱っています。そのため、WebサイトではBtoB、BtoCに関係なく、お客様のニーズに応じて適切な製品やサービス情報を即座に表示しなければならない。(BLUE MARTINIは)その膨大なコンテンツ管理に最も適していると判断しました。
当社に限らず、とくにメーカーの製品やサービスは多様化する一方ですので、同製品のパフォーマンスは大きな武器となるはずです。
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