御社は飲料や菓子のSP(セールスプロモーション)に、携帯電話やPCをキャンペーンツールにしたデジタルマーケティングサービスの手法を最初に持ち込んだベンチャー企業ですが、そもそも新しいビジネスモデルを考えた動機はなんですか。
池田 過去、クライアント企業のプロモーションとマーケティングそれぞれのセクションからデジタルとネットを使ったサービスを受託していました。その時、プロモーションではネットを使ってどう消費者に情報を伝えるか、一方マーケティングはネットでどう情報を吸い上げるか、がセクションが別であるためにバラバラでした。本来、プロモーションした時にマーケットは動くので、デジタルを使えば的確な相関データを抽出できるはずです。ハガキなどのアナログサービスでは無理なことが、デジタルであればプロモーションとマーケティングがリアルタイムに連動したサービスができる。つまり一石二鳥のビジネスモデルを考えたわけです。それが、2001年10月から市場投入したデジタルマーケティング・ASPサービス「DigiMa(デジマ)」の原点です。
コンビニで缶ビールなどを買うとシールが付いていて、これをめくるとIDナンバーやURLが表示されていますね。PCや携帯電話からそこにアクセスするとキャンペーンページにリンクし、本人の属性やシールナンバーの入力が同時に会員IDとして併用される。応募者データを容易に一元管理できるし、キャンペーン費用のコストダウンも図れるわけですね。
池田 キャンペーンでは確かに有効ですが、そこだけにフォーカスしているわけではありません。DigiMaのメインターゲットはプロモーションで、値段を下げるとか店頭デモなどと同列にキャンペーンの手法があるわけです。さらにデジタル化することでマーケティングとの連動も容易になります。そこで、Digi- Maでは、(1)デジタルキャンペーンによる顧客情報収集システム「PMSP(プロモーショナルマルチデバイス・サービスプログラム)、(2)それら顧客に対してワン・トゥ・ワンのEメールマーケティングを行うメール配信システム「IntelliMail」、(3)企業サイト内での顧客動向を分析するログ解析システム「WebSensor」の3種類のASPシステムを揃え、クライアント企業がどの組み合わせから利用しても可能なサービスを提供しています。
今までメーカーさんがマーケットに情報を伝達する手段はマス媒体を多く使ってきました。しかし、これだけ景気が落ち込むと、必ずしも売り上げが上がらず、マスの効果が分かりにくくなっています。この点、SPでは如実に分かるので、企業の広告宣伝予算全体は減っていますが、その減り方がアドバタイジングよりSPは少ないのが現状です。とくにコンビニで売られる比重の高い飲料、スナック菓子などではデジタルプロモーションが1つのブームとなっていることから、当社のPMSPを多く使っていただいています。
|