TOKYO-BAYららぽーとの成り立ちと現在の規模を教えてください。
前田 オープンは1981年です。その当時、ショッピングセンターといえば駅前か地下街が相場でしたが、モータリゼーションの進展を見据え、いち早く米国流の郊外型大規模ショッピングモールを作りました。当初は集客に苦労したと聞いていますが、交通インフラも整い、さまざまな販促施策が奏効して、総売り場面積3万5000坪(ダイエー棟を含む)、駐車スペース8000台、ショッピングセンターのテナント数540の規模で、週平均50万人、年間推定延べ2500万人を集客する全国最大級のショッピングセンターに成長しました。
集客は運営会社としての第一義的な役割でしょうが、御社の場合、テナントとの協調を強めるなど一歩踏み込んだ展開をしておられるようですね。
前田 もはや集客だけしていれば済むという時代ではありません。年間2500万人のお客様に来館していただけることはそれ自体大変ありがたいことですが、ただ1、2時間過ごして帰られる方もいらっしゃいます。当方としては、ここでなにかを購買していただくのがあくまでも狙いです。せっかく集客しても各テナント様のお店にお客様を誘引する仕掛けや対応ができていないとショッピングセンターとしては成り立ちません。その意味で当社とテナント様は共同事業者です。テナント賃貸料が売り上げとの連動制に移りつつあることからもなおさらです。お客様を頂点にしたテナント様と当社の3者関係を私どもでは“トライアングルアライアンス”と呼んでいます。一体となってお客様に満足いただける商品・サービス・情報を提供することがますます重要になっています。
実購買に結び付けるポイントは。
前田 あくまでテナント様が良い商品を品揃えすることが大前提ですが、その上でショッピングセンターとしてさまざまな仕掛けをするということです。消費、価値観が多様化し同業態の競合も激化するなかで、従来の広告やチラシといったマス展開だけでは売れなくなってきたことは周知の事実です。そこでキーになるのはロイヤルカスタマーの獲得です。そのためのツールとして2001年4月から会員向けポイントカード「ららぽいんと」を発行しています。ただしポイントカードというと、ポイントの付与だけに目が行きディスカウントの一形態になってしまっているケースも多いですが、当社は最初からお客様とコミュニケーションするためのツールという考え方で取り組んでいます。このため、ららぽいんとのサービス機能をさらに進化させた情報発信サービス「ららなび」を開発、2002年4月から運用し機能を拡充しています。
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