ポイントカードを進化させ
ワン・トゥ・ワンを具体的に実践
ららなびで何が実現できるのですか。
前田 従来のポイントカードでは個々のテナント様とお客様とのコミュニケーション手段は最終的にDMに頼らざるを得ませんでした。ららなびではDMだけでなくホームページ、Eメール、携帯メールのマルチ媒体で、しかもお客様個々にカスタマイズしたパーソナルメッセージを配信できます。また、館内にキオスク端末「なびスコープ」(現在14台)を設置し、お客様がショッピングされる直前に最新のメッセージを受信できるようにしています。メッセージの配信媒体や配信内容は各テナント様が選択、作成することができる環境を整備しました。ららなび用の情報配信ツールをインストールしたPCを希望されるテナント様にレンタルしています。レンタルPCの利用は当初テナント様の10%程度にとどまっていましたが、利用価値を認めていただき、現在約260のテナント様にお使いいただいております。
システムの仕組みを説明してください。
前田 システム構成は、日々の売り上げを管理する「POSシステム」、ポイントカードシステムの「ららぽいんと」、テナント様各店のCRM分析と顧客向け情報発信を支援する「ららなび」の3つをリンクしています。テナント様のレジ端末から入力された売り上げデータは一旦POSサーバーに集約され、日次バッチでららぽいんとシステム側の顧客戦略システムに送られDWに格納されます。一方、ららぽいんとの会員情報は、カード発行時にカスタマーデスクで入力され、サーバーに格納されます。ここには通常の顧客属性のほか、お客様一人ひとりの嗜好や購買履歴が入ります。そしてPOSデータと連動し会員ごとにポイントを加算していくのは通常のポイントカードの仕組みと同じですが、せっかく蓄積したデータをワン・トゥ・ワンマーケティングの実践に活かすために具現化したのがららなびシステムです。このシステムは、CRMサーバー機能を中心に顧客情報を格納したサーバー、売り上げ情報を蓄積したDW、Webサーバーやメールサーバーなどの情報配信サーバー群で構成されています。そしてテナント様のレンタルPCと連動しています。このためのインフラとして、館内に光LANケーブルを敷設し、さらに区画や導線変更にフレキシブルに対応できるように無線LAN環境を整備しています。
各テナントが顧客情報を収集し、配信するまでのフローは。
前田 CRMサーバーの中では仮想的にCRMDBが構成され、情報は各種属性・嗜好・購買実績によってカテゴリー分けされています。テナント様はレンタルPCから無線LANでCRMサーバーにアクセスし、そこから例えば、優良顧客、離脱顧客、新規・見込み客などの条件でターゲット顧客を抽出したり、配信対象を分析・検討できます。配信方法は、メールマガジンとホームページの2つがメインです。メールマガジンはレンタルPC上に用意されたフォーマット画面からそれぞれメッセージを入力し、それらがCRMサーバーに集められ、テナント様と双方で決めておいたルールチェックを経て、お客様一人ひとり向けに束ねられて週1回の割合で配信されます。会員向けホームページにも同様にお客様ごとにパーソナルページが用意されています。会員はご自分のお気に入り店の情報やメッセージを閲覧したり、ポイント残高を照会できます。もちろん、館内のキオスク端末でもパーソナルページの閲覧が可能です。
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