イオングループにあってEC事業に取り組む御社は、どのような役割を果たしているのでしょうか
福井 2000年11月にECサイト「イオンショップ」を開設した当初は、イオングループの中核企業で全国に約300店舗を展開するスーパー、ジャスコのお客様が店頭に足を運べない時間帯などにインターネット経由で買い物ができる環境を整えるといった補完的な役割を想定していました。しかし、結果的にはジャスコの商圏外に在住するお客様に新たな販売チャネルを提供する形となりました。実際、ジャスコの出店戦略が地方展開を主軸としてきたのに対し、20〜30代の主婦層を中心に約40万人に上るイオンショップ会員の大半が首都圏、中部圏、関西圏など人口密集地域にお住まいであり、2003年度売り上げの約4割はこのエリアのお客様によるものです。
イオンショップの商品アイテムは、食料品や日用雑貨などの生活必需品が主体であり、しかもお客様が定期的にお買い求めになるリピート型商品をベースにしている点が特徴であり、その数は約1万点に上ります。
事業スタート当初の思惑と異なり、独立した運営を行っていくということでしょうか。ジャスコに代表されるリアル店舗との連携には注力されないのですか。
福井 現状はECサイト単体の収益基盤を強固にすることが主眼です。ジャスコの商圏外の市場を開拓できたことで売上高は大幅に急進していますが、いち早く年商100億円を達成し、ジャスコの上位店舗と肩を並べることが当面の目標となります。店舗連動策は次フェーズで本格化します。
ベビー用品の共同運営サイト経由で
1万2000人/月がアクセス
EC事業を軌道にのせるうえで欠かせない、Webサイトへのアクセスを促す仕組みについて教えて下さい。
福井 当初はテレビCMや店頭・新聞折り込みチラシなどイオングループの一員として共同でキャンペーンを展開したり、当社独自で「Yahoo!ショッピング」をはじめとする有力オンラインモールに出店するなどの施策を打ってきましたが、投資対効果をより高めるために最近注力しているのが、互いに顧客やニーズを共有できる他のサイトとの提携プログラム「アフィリエイト」の活用です。これは、各々が持つブランドなどの相乗効果で互いにアクセス数を増やし共通会員を獲得する仕組みのため、投資の割に効果を最大化できるというメリットがあります。すでに個人・法人問わず約5000サイトと提携済みですが、なかでも有望視しているのが、妊娠・子育て関連の情報を扱うコミュニティサイト「べビカム」との提携です。共同運営する中間サイトでは、当社が手掛けるベビー用品について連日会員が意見交換しており、そのサイトを通じてのアクセス数は平均1万2000人/月に上ります。
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