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“営団地下鉄”が“東京メトロ”となって、数カ月が経ちました。まずは、ここに至るまでの経緯をお聞かせ下さい。
塚田 旧・帝都高速度交通営団は、1941年の設立以来、国の交通政策に基づいて東京都やその周辺地域の地下鉄網を整備・拡充し、首都・東京の発展に貢献してきました。その中で、2002年12月に「東京地下鉄株式会社法」が国会で可決され、営団地下鉄は2004年4月を持って政府及び東京都が出資する特殊会社となり、ゆくゆくは株式上場・完全民営化を図って自立するよう方向付けられたのです。
ただ、一口に完全民営化と言っても、容易ではありません。当社は、これまで国の交通政策に基づいて動き、どこに路線を作るか、大量輸送を果たすにはどうすべきかを、実施してきました。また、地下鉄網の拡充のために建設工事を繰り返しており、長期債務は9137億円(2003年度)にのぼっています。これを返済しながら、民間企業としての経営基盤を確立する必要があるのです。
例えば、現在建設中の13号線(池袋〜渋谷間)は2007年度の完成を予定していますが、これも債務を増やさぬよう上手く資金繰りを行いながら基盤固めを図っています。そこからできる限り速やかに株式上場を実現し、完全民営化を目指すという目標を掲げて、全社で取り組んでいる状況です。
御社の経営基盤は鉄道ですが、この利用者数を増やすということでしょうか。観光路線などとは違い、生活密着型の地下鉄で大幅な顧客拡大は難しいと思いますが。
塚田 現状を言いますと、景気の長期低迷や少子化の影響などもあり、お客様の乗降数に大きな伸びは期待できません。また、一般企業の契約社員化やフリーターが増えたことで、定期券を利用されるお客様も減少しています。こうした厳しい状況下で経営基盤を構築するには、まずはお客様ニーズを的確に捉える必要があります。つまり、サービスの向上が最大の課題と言えます。
これまでの業務は、地下鉄を利用するだろう、という“お役所”的な感覚でしたが、今後は社員全員が“お客様視点”を持つというのが民営化にあたっての大きな方針の1つです。お客様が何を望まれているかを的確にキャッチし、それを実現していくことで快適に地下鉄を利用していただく。具体的には、駅構内や所有ビル内での新たなサービスビジネスの構築なども、お客様の声から探っていきたいと考えています。
例えば、駅構内のテナントなど、鉄道以外のサービスビジネスを充実させ、収益構造を変えていくわけですね。
塚田 従来は、こういうものを用意すれば利用者は喜ぶであろうという考えがどこかにありました。この意識を変え、お客様が必要としているものを把握して提供していきます。今回開設した「お客様センター」は、その声を集めるための重要拠点です。
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