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すると、一般企業のコールセンターのような非正規雇用のスタッフだけでは対応しきれませんね。エージェントは、どのようなスキルを持った方を揃えていますか。
塚田 スタッフは、私を含め19名で構成しています。このうち5人はコールセンターでの勤務経験を持つ派遣社員ですが、それ以外は、運輸営業部や車輌、工務、電気などの各専門部署から来てもらったスペシャリストです。さまざまなスキルを持つ人材が集まり、お互いの知識を共有しながらお客様に対応しているという状況です。
構想では、この社員スタッフを1〜2年でローテーションしたいと考えています。運輸営業・車輌・工務・電気などの各部は縦割り構造で、これまで人事交流がほとんどありませんでした。しかし、お客様ニーズに則った会社にしていくのであれば、他部門からの視点も必要です。お客様への応対経験があり、各部門のことも知っている、マルチスキルの社員が要求されます。お客様センターに来てもらい、幅広い知識を得て再び現業に戻っていくことで、各現場に新しい視点をもたらせると思います。
知識と経験の共有を図る“ナレッジセンター”的な構想ですね。
塚田 ただ、社員だけではどうしようもない場面もあります。例えば、当社には、JR東日本や私鉄各社と相互乗り入れを行う路線が多くあります。そうなると、相互直通他社との情報共有も図る必要性が出てきます。実際、それぞれの会社とは関係を深め、当社に入る他社へのご要望や、他社に入る当社へのご意見などを交換し合っています。こうした、他社との情報ネットワークを今後も広げていきます。また、サービス向上の一環としては、駅周辺のビルや店舗の情報も提供していかなければなりません。お客様をサポートするうえで、当社以外の横とのつながりが欠かせないと感じています。
安全提供とサポート充実を確保しつつ
コスト圧縮で債務返済を図る
先に完全民営化したJRでは、経営の健全化を図るために赤字路線の廃線・縮小といった、いわゆる“大ナタ”を振るいました。民営化の趣旨はJRとまったく違いますが、完全民営化へ至るコスト削減という視点からは、どのような取り組みが考えられますか。
塚田 安全性を維持し、かつサービスレベルを向上させながら、コスト削減を図っていくには、さまざまな取り組みが必要です。社内でコスト削減の検討会を設け、実施できるものから実施しています。また少ないコストでより良いサービスを目指すために、より判りやすい出口や乗り換えの案内表示を試験的に行っています。現在、大手町と銀座の両駅で新しい表示板を据えてお客様の反応をモニタしています。とにかく、お客様への安全提供とサポートは欠かせませんから、声を伺いながらバランスを見てコスト削減を図っていくことになります。
債務の返済と経営の健全化については、コスト削減だけではなく、先ほど申し上げたように、新規ビジネスの立ち上げによる増収対策もカギを握るでしょう。その“ヒント”を得るために、お客様の声をどのように受け止め、どう対応するかで、株式上場・完全民営化への道が決まります。できるだけ市場から高く評価されるためにも、お客様センターの機能をますます充実させる責任を感じています。
(聞き手・山本 浩祐)
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