ハウスメーカー・工務店へのカタログ請求と全国のモデルハウス訪問予約、イベント予約などをネット上で支援し、その情報掲載と反響度・効果値の対価を広告料としてクライアント企業からいただいている収益構造です。サービス対象エリアは全国を網羅しており、情報掲載数はハウスメーカー・工務店174社、モデルハウス数2175件、住宅商品数458件、イベント情報1747件(2006年12月12日現在)を有しています。
川本 他の領域の情報サイトと比べると注文住宅領域は競合サイトが少ないですが、それでも2、3社ほど目立つサイトがあります。当社の強みは情報量の多さもさることながら、実際にスタッフが現地取材したオリジナル記事を掲載していることです。今とくに強化しているのはモデルハウス情報で、北海道から沖縄まで1件1件訪問取材し、逐次更新しています。物件情報だけでなくモデルハウスのスタッフプロフィールといった付帯情報も紹介し、ユーザーのカタログ請求や予約を喚起する情報提供を行っています。
コールセンターを開設し
サイト上の最適情報へナビゲート
――ハウジングナビサービスの一環としてコールセンターを開設したそうですが、その理由は。
川本 注文住宅を検討するユーザーの年代は高めで、Webの予約フォームに馴染みが薄いことから、アクション機能の1つとして2006年6月から当サイト上にフリーダイヤル番号を掲示し、「ハウジングナビコールセンター」を開設しました。当初はモデルハウス訪問予約および資料請求の受け口としてスタートしましたが、そもそも予約に興味がないと利用されません。そこで、同年11月に、ユーザーの希望に合わせて電話を通じてコミュニケータがサイトを検索し、該当情報へナビゲーションする機能を追加しました。併せてキッチンや風呂などの住宅設備機器の情報提供とカタログ請求受付も始めました。サイト上には盛りだくさんの情報が詰め込まれていますが、的確に検索できなかったら意味がありません。とくに注文住宅は予め価格が付いているわけではないので、会社選びにしても商品にしても比較しにくく、ユーザーの検索能力に左右されてしまいます。今回の新たな試みは、電話がサイトの入り口というか、ネット上の情報が全て電話で入手でき、欲しい情報を自ら探さなくても電話を介してコミュニケータが探してくれることをサービスポイントにしています。
――電話とネットを融合したサービスへのチャレンジですね。
川本 ネットの商売をしていると、年がら年中考えているのはユーザーインタフェースです。画面の配置、色調に始まり、検索したら次に何を見せるかにすごく頭を使い、仕事の大半がその部分と言っても過言ではないほどです。しかしここを改善しないとユーザーは最適な情報にたどり着けません。仕方がないと言ってしまえばそれまでですが、試みにネットのユーザーインタフェースとして電話を使ってみては、というのがそもそもの動機です。私の中では、ネットのユーザビリティと電話は内容は異なっても、価値は同質だとみています。「ネットビジネスやWebサイトって何だ」と問われた時、ユーザーに最適情報を届け、かつコンテンツ提供元(クライアント)との橋渡しをするのがそもそもの役割なのですから、電話はWebサイトのインタフェースのひとつ、といってもよいと思います。極論すれば、ハウジングナビのサイト上に電話番号だけ載っているというのも、ユーザーインタフェースとしては「有り」ではないか、とさえ考えています。