テクサポ系のテレマーケティング会社にアウトソースしています。選定の決め手はコミュニケーションスキル、とくにイレギュラーへの対応力がポイントなので、スーパーバイザー(SV)クラスの人にお願いしています。とにかく注文住宅のネット領域では電話での受付は初めてのケースなので、当編集部とアウトソーサーとの連携を密にし、さまざまな問い合わせを受けながらスクリプトを逐次深め、さらにナレッジ化の方向へ進みたいと思っています。
川本 まだ立ち上げて間もないので当初予想したよりコール量は少ないですが、徐々に増えてきています。今後はコールセンターの認知度アップを図るため告知の仕方をもっと変えていきます。
――告知の具体策は。
川本 現在は当サイトに入ってきたユーザーがフリーダイヤルの所在を知る形ですが、そもそもの目的はネット上のコンテンツを電話を使ってもっと多くの人に届けたいというコンセプトなので、電話番号はサイトだけにある必要はなくて、別の印刷物とかに載せても、それはWebサイトのサービスそのものと考えています。今後は当社の他媒体やバナー広告といった他メディアへの告知を強め、コールセンター自体の認知率を上げる取り組みをします。これに伴い、現在のセンター体制を拡充していきたいと考えています。
――ただ、運営コストはどう吸収するのですか。そもそもネットビジネスはあまりコストをかけずに完結させるのが目的のはずですが。
川本 たしかに完結できれば理想でしょう。しかしここにきて、一般の情報サイトやEコマースでも、ある部分で電話チャネルやきめ細かいEメールサポートが不可欠だという認識に変わってきたと聞いています。とくに、当サイトの注文住宅のような比較検討しにくい対象の場合、「なんだか分からない」といったファジーなユーザーの問い合わせについても素直に受け止める窓口が重要で、このチャネルはやはり電話です。また、当サイトのビジネスモデル自体が紹介件数や反響度で価値を判断されるので、このツールがネットでも電話であっても同じくハウジングナビサイトでの効果と(クライアントに)みなしていただけるのです。もう1つ、コールセンターを開設して新たな発見がありました。実は、電話でのナビゲーション(インバウンド)だけでなく、待機中の空き時間を利用してサイトに掲載しているモデルハウスに電話をかけ(アウトバウンド)、サイト上で予約せずに直接訪れたユーザー数や反応などを聞き取り、この結果をクライアントにフィードバックしているのです。サイトではユーザーの本当の行動までは掴めません。サイトでMAPを見て予約せずに直接モデルハウスに行くユーザーもかなり多いのですが、直接電話でヒアリングすることで、その実効果を顕在化できることが、センターを開設して如実に判りました。しかも電話のプロが行うので精度が高く評判も良いので、これをマーケティングリサーチ業務とすることで、コストは十分に見合います。