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――「サービスサイエンス」とはそもそもどんな学問領域ですか。
諏訪 定義や価格設定があいまいなままにされている“サービス”について、科学的に分類・分析することでさまざまな課題へのアプローチ手段を提示するものです。研究課題例としては、生産性や品質の測定方法、価格設定、サービスの効率を上げるテクノロジーなどがあります。
現在、多くの先進国ではサービス業が全産業の約70%が占めていますが、今のところサービスそのものの定義が不明瞭で、それゆえ値付けの根拠もあいまいになっています。そこで、サービスを科学的に解析し、生産性や品質、コスト、利益の追求方法をロジカルに組み立てることが望まれるようになりました。これがサービスサイエンスの始まりです。
とくに、この分野の研究に熱心な姿勢を見せているのが、情報処理分野の学校や企業です。現在、IT業界は利益率の伸び悩みによりかつての人気が衰え人材が不足気味になっています。サービス業は他産業に比べて利益率を高くキープできるため、IT業界ではサービスサイエンスの方法論を取り入れることで事態を改善しようという気運が高まっています。
――諏訪さん自身はどういう研究を行っているのでしょうか。
諏訪 私は、アカデミックというよりもビジネスで実践するという見地で研究に取り組んでいます。以前在籍していたオムロンフィールドエンジニアリングのコールセンター運営経験などを活かし、コールセンター運営やビジネスに活用するための方法論やプロセスにも取り組んでいます。
――コールセンターでは、サービスサイエンスをどう活用できるとお考えですか。
諏訪 コールセンターはとかく業務の範囲やミッション、価値があいまいで、運営方法もまちまちです。利益創出ポイントや価格根拠を明確にしないまま、結局、最優先課題を「コストダウン」に据えているセンターは実に多いです。またセンターの創設目的やミッションそのものが不明確で、現場の努力が経営層や社内、顧客からの評価と結びついていないことも少なくありません。ここにサービスサイエンスの考え方を導入すれば、センターの目的や役割、価値を明確にしたり、業務改善や品質向上の方法論を確立できます。
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