テオ 創業当初からカスタマー・サティスファクション(CS)を標榜し、常に力を注いできましたが、2、3年前からカスタマー・エクスペリエンスへコンセプトを移行しました。それまでのCSは、どちらかと言えば製品購入「後」に力点を置いていましたが、新たなコンセプトではエンド・トゥ・エンド、つまり、コンピュータの購入検討から問い合わせ、発注、配送、セットアップ、アフターサポートまで、お客様が体験する全プロセスで、最良の満足体験の提供を目指しています。これは、直販を基本に法人、コンシューマーのお客様とダイレクトな関係を築いてきた「デル・モデル」だからこそ実現できるものです。ダイレクトゆえに、お客様個々の属性、購買履歴、所有システム・構成などを全てDB化して保有していることから、インターネットの積極的な取り込みを含めて効率を一層加速すると同時に、私の統括するサービス部門に限らずセールス、デリバリーなどあらゆる面でお客様への満足価値を高めていくことができるのです。
――サービス部門ではどのように具現化しているのですか。
テオ 具体例を1つ申し上げますと、テクニカルサポートでパソコンに問題があるという問い合わせを受けると直ちにDBでお客様を特定、それに基づきながら的確なトラブルシューティングを行います。そして問題が解決したら、直後にEメールによるCS調査をお客様の了解を得たうえで行っています。毎日のようにフィードバックされたメールを分析し内容を見極め、さらに応対したエージェント(同社のオペレータ呼称)が誰かまで掘り下げていきます。お客様の生の声を聞くことでエージェント個々の評価やトレーニング、業務改善のポイントを抽出するという、こうした活動の繰り返しが当社のクオリティコントロールの基盤になっています。そして、ロケーションを問わず全く均一のクオリティコントロール・プロセスに則ってオペレーションしています。もちろんこれは、クオリティだけでなく生産性をはじめ他のカテゴリーでも同様のコントロール・プロセスがあります。