呼量増で業務見直しに着手
センターの役割を明確にする
――コールセンター業務について、大幅な見直しに着手したとのことですが。
熊谷 前述したように問い合わせ内容が、業務カラオケ機器のみならず通信ネットワーク関連から検索リモコン機器に関するものまで幅広くなっており、それに伴ない呼量が増加しています。現在の規模では限界が近く、増設や業務効率化に本格的に取り組まなくてはならなくなっている状況です。そこでこれを機に、これまで自己流のノウハウで進めてきた業務を一度見直して抜本的な業務改善を図ろうと考えています。現在はまだ課題抽出の段階ですが、今後徐々にシステム整備も含め具体的な改善活動に着手する予定です。
――業務改善の目的は。
熊谷 まず、投資して改善するということ自体が、現場の活性化につながればという狙いがあります。ヘルプデスクは、トラブルでお困り・お怒りのお客様からの電話が多く、応対者はどうしてもフラストレーションがたまりがちでモチベーションを維持・向上させることが容易ではありません。オペレータは、派遣社員、正社員が混在しているのですが、どのような雇用状況にせよ、会社側から役割や経営的な期待を明示してそれに向けた改善活動を促すことがモチベーションの維持・向上に不可欠だと考えています。
実際に、ヘルプデスクのユーザーである業者からは24時間対応の要望を受けるなど期待される部署であることは事実なのです。それをコストセンターといって切り捨てることはできません。逆に、さきほど申し上げたように製品開発のための情報収集やエンドユーザーのCS(顧客満足度)向上に活用できる情報を多く抱える部署なのですから、経営層に対する発言権ももっと持たせるべきです。
今回の業務見直しの先には、センターの拡大やプロフィット化、社内における地位向上なども視野に入れています。
(聞き手・石川 ふみ)
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