――新会社設立の経緯を改めてお聞かせください。
加藤 三井不動産販売の大きな柱の1つである既存住宅流通事業「三井のリハウス」では、単に住宅の売買仲介だけでなく、リフォーム、引越し、インテリアコーディネートなど、住みかえに付随するさまざまな仲介やサービスを展開してきましたが、これを一段と拡充し、お客様をワンストップでサポートすることで、CSのさらなる向上を目指すことを目的に、2008年4月1日に設立しました。出資は三井不動産販売が60%、三井ホーム(一戸建てのハウスメーカー)とその子会社、三井ホームリモデリング(リフォーム中心)が各20%の三井不動産グループ3社による共同出資です。
――三井ホームグループが出資している理由は。
加藤 現在の利用者はほぼリハウスの成約者ですが、将来的には、三井ホームや三井不動産グループが提供する住宅の購入者へのサービス提供を見据えているためです。
いち早く仲介の付随サポートに着目
分社化でビジネスモデルをさらに磨く
――ワンストップサポートの提供ということですが、ビジネスモデルを具体的に説明してください。
加藤 三井のリハウスのネットワークは首都圏で約170店舗、仲介取り扱い件数は年間約2万件あります。従来は各店舗の営業マンが取り引き前後の諸々のプレセールス、アフターサポートについてもお客様のニーズをお伺いして、個々にリフォームや引越しなどの業者を手配したり、事前の見積りを行っていたわけですが、この部分を一括して当社が請け負います。さらに今後、リハウス営業マンによる当社サービスの案内や各店舗に置いてある販促物などを通じて当社の認知が高まるのに伴い、お客様が直接当社に電話でお問い合わせになるケースも多くなると想定しており、これが軌道に乗れば、文字通りのワンストップサービスを提供できます。対象エリアについても、当社のビジネスモデルを当初の首都圏から全国へ、加えて三井不動産グループへと横展開していくことが可能になります。
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