ブロードバンドの登場で
メディアスイッチングが起こる
Webを活用したインタラクティブな情報発信・分析、さらにマーケティングにつなげるだけでなく、コンタクトセンターとバックヤード業務をSCMで連携・統合させるといった形は、eCRMの理想型ともいえるモデルですが、実践できる環境が整ったということですか。
船津 ITソリューションもさることながら、MCMを具体化するには社会環境が整わなければなりません。現状をみると、インターネットの普及は消費者のライフスタイルを変えました。さらにブロードバンドの出現により加速的に進化していくと考えています。
ブロードバンドの出現はTVとPCの融合を可能にし、携帯電話のメディアとしての価値も進化させます。そこではメディアスイッチングが始まります。セールスプロモーションのあり方も激変してきます。
例を挙げると、いまマスに対してTVを通したプロモーションが膨大な費用をかけて行なわれています。その一方で、Webやメールを使ったターゲティング型の効果的な手法が模索されています。ブロードバンドの活用はマスとターゲティング型の両方を可能にします。そこではプロモーション後の顧客の生の声を聞くコンタクトセンターが重要になり、セールス活動の中核となる組織に位置付けられてきます。
まさにCRMの実践ですね。具体的にはどのようなソリューション、サービスを提供されるのですか。
船津 先ほどお話したように、ここ数年のブロードバンドインターネットが新たなライフラインになるという予測のもとでIT事業に対する投資を行なってきました。その結果、ナレッジソリューション(PRIMUS)、Webナビゲーション(AskJeeves)などコンタクトセンターの先端ソリューションに加え、広告を配信するダブルクリック、ストリーミングのためのJ-streamなどMCMを可能にするソリューションが整いました。これらソリューションと、当社が長年培ってきた運用ノウハウ、ナレッジをベースにサービスを提供していきます。最終型はマーケティング・チェーンそのもののご支援ですが、各運用フェーズにおけるサービスメニューも体系化・設定しています。
MCMを推進していくにあたり、いまだ足りないソリューションはありますか。
船津 環境は整ったと考えています。コンタクトセンターに代表されるフロントシステムと基幹系と呼ばれていたバックヤードのシステムの連携が、従来ネックだったのですが、ERPベンダーのCRM対応製品も整い、またITソリューションの大半がWebに対応してきていますので、容易につなげるようになってきました。
|