サービスセンターの陣容や規模などを説明してもらえますか。
芝崎 従来宅急便センターで応対業務に優れていた人材をセンターマネージャーや品質マネージャーに据え、不足するオペレータは新規に採用しました。現在オペレータの登録者数は約5000名に上ります。オペレータの配置は1次受付で集配依頼、2次受付で問い合わせ・クレームに対応する体制とし、難度の高い質問はさらに上位者にエスカレーションする仕組みを確立しました。コール数は直近の統計値で月間850万本を記録しています。その内訳はサービスセンターごとにまちまちですが、東京や横浜など首都圏をはじめ月間50万コール近くに上ることもあり、IVRを全センターに導入し、コール処理の効率化を図っています。一方、Eメールに関しては個別のサービスセンターに自動転送する形をとっています。
センターごとにCTIシステムを装備し
SDにポップアップ情報を送信
サービスセンターで集配依頼を受けたオペレータが、SDに指令を出す仕組みはどうなっていますか。
芝崎 当該エリアを担当するSDの携帯電話にEメールを発信する形が基本です。受信後、SDが確認処理(データ送信)したのを受け、サービスセンターシステム内では自動的に連絡完了となり作業指示データをバックアップする一方、状況に応じて再送信や送信先変更する仕組みを整えています。また、各センターではそれぞれCTIシステムを装備しているため、オペレータが、作業指示メールと併せてお客様の過去の取り引き履歴やクレームなどのポップアップ情報を確認し、情報提供する環境も整備しました。
その一方で「届くべき荷物が届いていない」といった、エンドユーザーからの問い合わせやクレームへの対応はどのようにしているのですか。
芝崎 事務管理センターが保管する配達伝票DBと連動し、到達予定時刻など記載事項をチェック、そこで遅延が明らかになれば、即座にSDに連絡をとって現状を把握し、お客様に伝えるフローを確立しています。ただ実際にはそこまで行わなくても、自前の貨物追跡システムにアクセスして貨物の所在を確認するだけで済んでしまうケースも多いです。貨物データは、計3万5000人のSDが専用のハンディターミナルを活用し、ISDN回線経由で拠点ごとに送信する「ポイント情報」がベースとなります。こうしたSDからの報告業務は、コンテンツ容量の制限から集荷指令とは別システムにせざるを得ませんでしたが、最近のブロードバンドの普及を受け、ゆくゆくは双方を携帯電話インターネット上で統合していきたいと考えています。
CSをもっとも左右するであろう、不在時の対策についてはどうですか。
芝崎 エンドユーザーが、不在票に記載された携帯電話番号をもとに、担当したSDに直接連絡をとれる「SDダイレクト通信」というサービスを昨秋から提供しています。サービスセンターを介さず直接コミュニケーションをとれる点が好評で、SD各人が連日15本程度の連絡を受けています。不在対策というと、専用のDBを構築するケースもみられますが、不在情報のメンテナンスには多大な労力とコストを要するため、現状ではこの手法がベストであると考えています。
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