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「誰から」ではなく「何を」――
すべての電話対応をセンターKPIで管理

――医療従事者やMRと一般生活者では、質問のレベルや内容に違いがあると思うのですが。

オヴァロ 製品やサービスに関する問い合わせは、実はさほど大きな違いはないのです。MRは、医療従事者や一般生活者など、GSKにとっての顧客と最も多くコンタクトする機会が多いスタッフです。つまり、MRが抱えている疑問は、そのまま顧客の疑問でもあります。実際に、新しいカスタマー・ケア・センターを構築するにあたって、問い合わせへの対応フローを検証しましたが、その際は「誰からの問い合わせか」というよりも、その「内容」を重視しました。その結果、MRと一般生活者からの問い合わせ対応は一本化できると判断したのです。また、学術・マーケティング・現場のMRの知識やノウハウといった情報の連携を強化することで、会社全体の組織力を強めることができると考えています。
 さらに、MRからの問い合わせは製品に関するものだけでなく、例えば経費の請求といった、社内のルールや業務についての疑問や不満もあります。これまでは、そのようなMR、つまり現場の不満や問題点が他部門――たとえば経理部など――に還流する仕組みがありませんでした。こうした問い合わせも即座にフォローできるような業務フローを構築する方針です。

――御社のMRにとっては社内業務や手続きに関するヘルプデスク的な役割も果たす、ということですね。

オヴァロ もちろん、それだけではありません。新カスタマー・ケア・センターは、MRの学術知識やセールス・スキルが向上するようなサポートを志向しています。MRがセンターに問い合わせをする、ということは、スキルや知識、社内の複雑なルールの理解など、営業活動をするうえで足りないものがある証です。カスタマー・ケア・センターに蓄積された情報を彼らにフィードバックすることは、その足りない要素のフォローといえます。言い換えれば、MRが問い合わせや調べモノといった非生産的な業務を行うことなく、本来の業務である営業活動により多くの時間が費やせる体制を構築することで、これは今回の組織変更の大きな狙いのひとつです。また、彼らの不満や現場の問題点といった情報の還流は、全社的な業務改善につながるはずです。

――カスタマー・ケア・センターの組織改正は、顧客対応全般に関わるコスト削減の狙いもあるのですか。

オヴァロ すべてのアクセスに関して、管理手法としてコンタクトセンターのKPIを適用することで、より生産性の高い顧客対応が可能となるはずです。また、これまで膨大なコストを注ぎ込んでいた市場調査にも、センターを積極的に活用することでマーケティングに関わるコストが削減できると見込んでいます。

――新しいカスタマー・ケア・センターの陣容はどの程度の規模となっているのですか。また、それぞれの部門構成と役割を教えて下さい。

オヴァロ 従来のセンターは約30名でしたが、サポートの対象を拡大したことで、新センターは約80名となりました。一次対応を行うカスタマー・オペレーション部は、従来のセンターのスタッフが中心で、すべての電話に対応します。それに、レップ(顧客対応のオペレータ)に対する学術知識のトレーニングやエスカレーション対応を行うメディカル・サービス部、MRに対し学術情報以外のサポート――人事・総務関連の事務処理など――を行うアドミニストレイティブ・サービス部で構成しています。

――製薬業界に限らず、KPIやモニタリングなど、コンタクトセンター独自の文化を他の部門に属していたスタッフに徹底させるのは難しいと聞きますが。

オヴァロ スタッフ全員に対して、フィードバック・カルチャーの醸成、顧客満足度の向上、MRの業務支援――という目的と目標を共通認識として植えつけることが第一歩だと感じています。それは、研修だけでカバーできるものではありませんが、幸いにもこれまでの実績の再評価が後ろ盾となり、新しいスタッフも極めてポジティブにコンタクトセンター業務を身につけようとモチベーションを高めています。

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