――取り扱い金融商品は。
猪首 現在、FXと株価指数先物取引/株価指数オプション取引/CFD(差金決済取引)などの証券デリバティブ取引、株式取引、投資信託を取り扱っています。なかでもFXとCFDは、国内市場で最初に個人投資家向けのサービスを提供したのが当社です。総口座数は14万8206口座(2009年2月末現在)で、その内訳は、FXが11万901口座、証券が3万5338口座、CFD1967口座となっています。特にFXは、業界のなかで高いポジショニングを当社が占めていると思います。
――FX取引の先駆けということですが。
猪首 1998年の外国為替及び外国貿易法の改正以前は、為替における通貨の交換や両替は銀行に限られていました。また規制が自由化しても、一般消費者については、ごく一部の店舗で支払いに外貨が使えるといったサービスがある程度でした。そして、個人が外国為替を活用した投資を行う場合、1日1回値決めされた為替レートで、現在より高い両替手数料を支払って取引をするなど、利益を生むのがなかなか難しい商品でした。さらに、総取引金額を銀行や証券会社に預けて取引するため、ごく一部の限られた個人投資家でなければ利用しづらい状況がありました。そこで当社は法改正を機に、個人投資家向けに「マージンFX(現・ひまわりFX)」をリリースしました。この商品は手数料を下げるだけでなく、為替レートを24時間リアルタイムで表示し、総取引金額に対して少額の証拠金で取引ができるというものです。ただ、日本国内では馴染みのない新しい金融商品だったので、リスクとメリットをご理解いただくのが難しく、このためセミナーなどによる啓蒙活動が必要でした。この活動に合わせて、問い合わせや相談のための受け皿として自社内にコールセンターを設置しました。
コールセンターを自社運営
リアルタイムにマーケット情報を発信
――コールセンターの状況は。
猪首 24時間フルサポートで、お客様からのお問い合わせや要望に可能な限りお応えしていくというスタンスで運営しています。証券取引に関する窓口と、FXを中心とする窓口の2つに分けており、総勢20名で対応しています。オペレーションを外部委託する手段もありましたが、自社の取り扱い商品の説明や深度のある質問にお応えし、お客様のご意見を傾聴するには、社員が対応するのがベストだと考え、あくまでも自社で運営しています。オペレータは、基本的にマルチスキルで、当然のことながら株式/国債/公社債/投資信託などの現物取引を扱うことができる「二種証券外務員」資格および、先物/オプション/デリバティブなどの有価証券に関わるすべての金融商品の取り扱いが可能な「一種証券外務員」資格を保有しています。あえて窓口を2つに分けているのは、より専門性を高め、お客様からの難易度の高い質問にも的確に対応できるようにするためです。コールセンターには、他社口座で取引しているお客様からも、日経225先物やオプション取引の概要・ルール、仕組みなどについて問い合わせてこられるケースが多々あります。この場合も、当社はデリバティブ取引のパイオニアとしてのスタンスで、たとえ他社のお客様であっても可能な範囲でお応えしています。
――コールセンターの課題は。
猪首 科学的手法による運営強化が今後の課題です。KPI測定で数値化してはいるものの、現段階ではマネジメントするレベルには至っていません。現在の平均通話時間は3分ですが、商品数やお客様が増加傾向にあり、お問い合わせ件数も比例して増えていくと考えられます。またここ数年、FAQ(よくある質問)をWebサイトに掲載してセルフサービス化を推進していますが、まだまだ電話での対応を求めているお客様が多くいらっしゃいます。このため、応対品質を下げることなく効率を上げるべく、数値でのマネジメントをより推進していく考えです。
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