――継続案件の獲得について、具体的な施策を教えてください。
中原 一例としては、既存ユーザー向けのフォロー活動として、購入からの時間軸によってアプローチ手法を変えるアウトバウンド戦略を実践しています。例えば、購入後1カ月のお客様に対して「ありがとうメール」を送信し、相談窓口やWebサイトを紹介して当社にアクセスしやすい環境を訴求します。次に3カ月経過したところで、Eメールと電話でアプローチし、運用ルールや成功事例を紹介。その後、半年、9カ月、1年、1年半と定期的にメールや冊子送付を行い、より強固なリレーション構築を図ります。
当社からの情報を受け入れることのできる土壌を積極的なアプローチによって作ることで、製品やサービスをより有効活用していただき、結果として継続に結びつけることができると考えています。
――継続してもらえないケースには、何か共通の原因や背景がありますか。また、現在の継続率は。
中原 商品やサービスのバグや欠陥が原因で継続しないというケースはまずありません。大規模ユーザー様の場合は、やはり効果測定がシビアな傾向があります。ROIが鮮明でない限り、競合他社への乗り換えられる可能性が高まります。
一方で中堅・中小規模ユーザー様の場合は、繰り返しになりますが「(機能を)使いきれていない」ということがほとんどですね。現在の継続率は、大規模向けの「ガルーン」は約80%、「Office8」など中小向けの製品は、無料のグループウエアなどが多数存在する影響もあって50〜60%ほどですので、それぞれを10%向上することが当面の目標です。
テクニカルサポートは“人財”がすべて
最大の品質基準は「期日内回答率」
――テクニカルサポートセンターを松山に移転されたのはなぜですか。
中原 当時、東京では優秀な人材確保が難しくなっていたことが最大の原因です。松山市は当社創業の地であり、さらに市(自治体)の手厚い助成もありました。また、愛媛大学が人材紹介に積極的に取り組んでくれたことも決め手となりました。まだ拡張計画の途上ではありますが、非常に優秀なスタッフが揃いました。基本的には社員採用、もしくは正社員化することで人材を固定化し、品質向上を図っています。
現在はOfficeやガルーンなど、プロダクトラインごとに4チームに分かれて業務についています。スタッフは3カ月におよぶ徹底的な初期トレーニングを受けますので、デビュー前に本格的な技術支援ができるテクニカル/応対スキルを身につけています。
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